倉敷市のストーリーが日本遺産に認定。あらためまして、日本遺産とはなんなのか。

公開日: 2017年5月2日火曜日 倉敷市

4月29日、倉敷市のストーリーが平成29年度の日本遺産に認定されました!
おめでとう!


さて。「おめでとう!」なのはいいのですが、あらためまして、「日本遺産」とはなんぞや。

世界遺産とは関係あるの?
倉敷市の「ストーリー」が認定されたってどういうこと?
日本遺産ていくつくらいあるの?

などなど、ぱたぱたぱたっと頭にいくつか疑問が浮かんできませんか?
私も、恥ずかしながら日本遺産についてほとんどなにも知らなかったので、これを機に調べてみました。

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①日本遺産てなに?

ではまず日本遺産の公式ページを見てみましょう。
日本遺産 ポータルサイト

 「日本遺産(Japan Heritage)」は地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として文化庁が認定するものです。日本遺産 ポータルサイトより抜粋

なるほど、文化財や自然そのものを認定するのではなく、認定対象が「ストーリー」ありきの有形・無形文化財ということなのですね。

②世界遺産とは関係あるの?
 世界遺産登録や文化財指定は,いずれも登録・指定される文化財(文化遺産)の価値付けを行い,保護を担保することを目的とするものです。一方で日本遺産は,既存の文化財の価値付けや保全のための新たな規制を図ることを目的としたものではなく,地域に点在する遺産を「面」として活用し,発信することで,地域活性化を図ることを目的としている点に違いがあります。― 文化庁『日本遺産(Japan Heritage)について』より抜粋
世界遺産を登録するのは国際連合教育科学文化機関(UNESCO)、日本遺産を認定するのは文化庁。目的も、世界遺産が文化財の保護であるのに対し、日本遺産は地域活性化に主軸を置いています。

③日本遺産ていくつくらいあるの?

日本遺産は平成27年度から認定が始まりました。毎年4月下旬に認定の発表があります。

平成27年度 18件
平成28年度 19件
平成29年度 17件

これまでに54件が認定されています。文化庁は東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年(平成32年)までに、100件程度の登録をめざしています。(平成27年3月 文化庁「日本遺産(Japan Heritage)」事業について

どこのどんなストーリーが認定されているかは、日本遺産ポータルサイトのMAP&LISTで確認できます(29年度認定分は、5月2日時点ではまだアップされていません)。新潟県の「『なんだ、コレは!』 信濃川流域の火焔型土器と雪国の文化」というタイトルはひときわキャッチーだなあ。

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で、本題に戻りまして、このたび認定された倉敷市のストーリーは

一輪の綿花から始まる倉敷物語 〜和と洋が織りなす繊維のまち〜 

400年前まで倉敷周辺は一面の海だった。
 近世からの干拓は人々の暮らしの場を広げ,そこで栽培された綿やイ草は足袋や
 花莚などの織物生産を支えた。明治以降,西欧の技術を取り入れて開花した繊維
 産業は「和」の伝統と「洋」の技術を融合させながら発展を続け,現在,倉敷は
 年間出荷額日本一の「繊維のまち」となっている。
 倉敷では広大な干拓地の富を背景に生まれた江戸期の白壁商家群の中に,近代
 以降,紡績により町を牽引した人々が建てた洋風建築が発展のシンボルとして
 風景にアクセントを加え,訪れる人々を魅了している。

というもので、31の文化財から構成されています(倉敷市のストーリー概要と構成文化財)。

上で紹介しているストーリーはあくまで「概要」で、倉敷川畔や下津井、玉島などの街並みや水門、寺社仏閣などの各種建築物から、屏風祭といった祭り、素隠居下津井節といった民俗芸能、ばらずしといった食文化まで、有形・無形の文化財がすべて絡み合って、400年に及ぶ倉敷の物語を織りなしています。点と点をつないで線に、そして面にするように、各文化財を巡っていけば、また新たな見え方に気づくかもしれないですね。

よし。巡ろう。
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